オリジナリティーのある人になりたいと思っていた。

本を読んだり人に出会ったりして
私はなんてごくごく一般的なことしか
考えたり言ったり行動したりできないんだろうと思った。

私に一番近い位置にいた
姉も妹もたった一人の親友もエキセントリックな人達で
彼女達に接する度に自分の普通さをいまいましく思いながら
その個性に嫉妬しながら、激しく焦がれた。
自分には永遠にそれらが手に入れられないことを
ことあるごとに痛感した。

最近はそういうことを感じることを自分に禁止して
以前より鈍感になれているとは思うけど
今でもそういう人や本を目の当たりにすると嫉妬と羨望のあまりくらくらする。

だから私は「自分は普通の人とは違うから」
とかちょっと自慢げに自分で言ってしまう人が嫌いだ。ニセモノだ。
その言葉を発する優越感みたいなものをとても嫌悪する。
多分そういう人達は私と似ているところがあって
自分が一歩違えばそういう人になってたかも知れないことが
嫌悪感を増長させるんだろう。

少なくとも私の周りの私の目から見て「普通じゃない人達」は
自分が普通に生きられないことに真剣に痛みを覚えているか
普通とかそうじゃないとかそんなことには無頓着な人達で
そういう風にはこの言葉を使わない。

私は凡人です。
でもその言葉は私が本当に凡人である時点で
まったく意味をなさない。

じゃあ普通って、凡人って何だ。って言われると困るけど
明らかに意図的ではなく普通じゃない人っていうのは、いる。

コメント